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〜迷っても悟っても仏さまの中〜

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Q なぜお経は聞いても意味が分からない漢文体のまま読むのですか?privacy policy


A、お経はインドから、中央アジア、中国、朝鮮を経(へ)て日本へ伝わります。インドで生まれたお経は、もちろん日本語ではなく、お釈迦様が使っていた「マガダ語」だと言われています。その言葉を伝わった国の人に分かるように、どんどん翻訳(ほんやく)されていき、日本に伝わった「お経」はすべて、中国で訳(やく)され、それがそのまま使われています。ですから日本のお経は、当時の中国語でもあります。
 さぁ、ここからが疑問です!なぜ私たちが分からない言葉をそのまま使用するのか?実はどこの国も、一般の人が聞いても分からない「お経」が使われています。スリランカやミャンマーなどの上座部南伝(じようざぶなんでん)仏教の国も「パーリ語」という言葉で書かれており、一般の方は聞いても意味が分かりません。これは日本も同じことです。
 そもそも「お経」は、仏弟子(ふつでし)たが、口で唱えて記憶され、人から人へ口伝(くでん)によって継承(けいしよう)されました。もとより「お経」は唱えることで成立した歴史があるのです。だから何の疑いもなく、そのまま読むようになったと言われています!
 また漢文体のほうが読みやすいという点もあげられます。鳩摩羅什(くまらじゅう)をはじめとする訳僧たちは、原文の意味を損なえず、いかに読みやすい経文に翻訳するかに力を注ぎました。故に、中国から日本に伝わった「お経」は、不思議と文句分明で、語尾音吐も素晴らしいものとなっています。読んでいて、心地よい感覚になるのは、その理由のひとつです。
 ご飯なんかもそうですが、お粥の方が体にも消化にも良いはずです。ですが私たちは、お粥よりも普通に炊いた白米を好みます。それと同じように、経文を書き下した方が、意味が分かりやすいのですが、あえて漢文体のまま読まれてきた歴史がそこにはあるのですね。
法華経