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〜迷っても悟っても仏さまの中〜

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合掌にはどんな意味があるのですか? privacy policy


A、先日、用事があり、東京にある日蓮宗の宗務院に行ってきました。
入り口を入ると、受付の女性の方が「こんにちわ」と挨拶をして下さったのですが、その時、手は合掌で迎えてくださいました。私もハッとして合掌で挨拶いたしましたが、なんともすがすがしい気持ちになったのを覚えています。
合掌
 そもそも合掌は、仏教誕生の地であるインドが発祥で、インド人の挨拶の仕方が仏教に取り入れられたものです。インドでは、右手は清浄(神聖)、左手は不浄を表します。古来より合掌の事を、

〜右ほとけ 左衆生と 合わす手の 内ぞゆかしき 南無のひと声〜

と詠んだように、右手をほとけさま、左手を私たちにたとえて、この両手を合わすことで、仏さまと私たちが一つになることをあらわしています。
 また、相手に対して合掌すると、相手の心の中にある仏さまのこころ=仏性を敬い尊ぶという意味もあります。

 ここにこんな話があります。まだおむつのとれない子供がいたずらを始めました。それを見たお母さんが怖い顔をして
「コラっ!ダメでしょ。そんなことしたら。メーッ」
と叱りました。それを見た子供は母親の目を指し
「目、目〜!」
と言ったそうです。これは子供の心の中に悪いいたずら心はなく、仏さまのこころそのものでであったという話です。
 仏教では人間を含め、生けとし生けるものすべてに仏性がそなわっていると教えます。だからこそ、法華経に登場される常不軽菩薩は、行き交う人々みんなの仏性に合掌して但行礼拝されたのでしょう。
 合掌は仏教徒のシンボルでもあり、平和の象徴でもあります。お互い合掌し敬い合うとき、私たちの体に流れる命の尊さまで感じる事ができます。

参考文献・引用
長谷川正徳のちょっといい話
第28話 人間は本来、仏である より